『言葉ははかない』がうまれるまで 12

☆スピッツのツアーが再開して、それからはツアーに同行していたのですか?

ツアーに同行しながらも、震災のことを追いかけつづけた。地震と津波だけじゃなくて、今回は放射能のことがあるから。これから先、どういう風に生きてゆ けばいいのか、みんなはどういう想いを抱えて生きているのかを知りたくて、被災地に残る人、避難する人、葛藤する人々を取材して歩いていたんだ。

震災直後、子どもを連れて東京から九州に避難した女性に、その取材の一環で会いに行った。

☆偶然の再会でしたね。

(笑)子どもを守るための発信をインターネットでしてる人がいて、どういう想いで九州にいるんだろうと連絡を取ってみたら、昔からの仕事仲間の春名さんだったという。

俺が被災地での活動をしていると言うと、すぐ「行きます」と言いだして、津波被災地に同行してもらったんだ。春名さんは施術家で身体とこころを整えるプ ロだから、施術したり話しをしていると、会う人会う人が涙を流して、最後にはすっごい笑顔になってる。川原医師とは、またアプローチの仕方が違うけれど、 俺はこれからの時代には両方必要だと思ったんだよね。

一緒に被災地を旅して、メシを食って、震災以降の価値観を共有した。ふと思ったんだよね。一緒に組んだら、新しい視点が加わって、すごく素敵なものが出 来るんじゃないかって。ずっとスピッツを見てきた人だし、クリエイティブに関しては本気で俺と意見を言い合える人間だしさ。それでプロジェクトディレク ションを担当してもらうことになった。

☆田舎で自給自足生活をはじめるつもりで、それまでの仕事は全部やめたんです。内藤さんとスピッツの写真集じゃなければお断りしてました。今回お手伝いできて、一生分の幸せをいただきましたよ。本当にありがとうございます。

あのさ、手伝うって謙虚に言ってるけど、実際は俺のケツをさんざん叩いたよね。鬼のように。
「で、内藤さん。いつからはじめるんですか?写真は揃ったんですか? 写真集出さないんですか?」とか、毎回聞かれて叱られて、仕事となるとほんっとに厳しくて怖いからさ。しゃーないから動きはじめた(笑)みんなもそういう一生モノの仲間、作ったほうがいいよ。

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