『言葉ははかない』がうまれるまで 04

☆内藤さんの写真からは、スピッツへの愛情がにじみ出ていますね。

好きじゃなければ、仕事なんて一緒にできないから。愛が冷めちゃったら、別れるしかない。惚れ込めなければ写真なんて撮れない。だから、彼らの写真を撮ってこられたことに感謝しているんだ。

彼らを追いかけて、ただ一緒に走ってきたから、後ろを見たりしてなかった。気がついたら20年撮ってたって感じ。

でも、スピッツが新しいところに進んでいったことを感じて、これまでを振り返ってみたら、スピッツの大事な歴史がいろんなところに散らばってしまったままになってる気がしたんだ。

やっぱりね、彼らがここまでがんばってきたこと、それを全部まとめて作品にして、本人たちにプレゼントしたいって思ったんだよね。
「がんばってきたよな、いろんなところでやってきたよな」って。「本当にいいバンドになったなあ」と心から思った。そんなことは男同士だから普段は照れくさくて言葉にはしないけど。

☆「作りたい」が「作る」となって、いよいよはじまったわけですね。

とにかく、俺が見てきたスピッツをメンバーにプレゼントしたい。まずは4冊。そして、チームスピッツのみんな。彼らのために作りたいと思ったんだ。

もちろん、オーディエンスのことも考えたよ。ライヴを観て、アルバムを買って、彼らをずっと見守ってきたオーディエンスがいなければ、俺らはここにいな いから。だけど、わがままでごめんね。俺、告白しちゃう。スピッツにプレゼントするための写真集を作りたいって思ったんだ。スピッツ目線で、彼らへの恩返 しのような作品をね。

☆内藤さんの目に映るスピッツ。瞬間、瞬間をシャッターで切り取ってきて、長い年月が積み重なっていて、そこにはさまざまなスピッツが存在していましたね。

写真集を作る過程で、写真の選び方、ストーリーの組み立て方、デザイン、そのひとつひとつでまったく違うものになっていくでしょ。オーディエンスが感じているスピッツと、俺が感じているのはまったく違うスピッツかも知れないっていうことを思ってた。

俺は、パンクでロックでものすごくカッコいいスピッツをファインダーを通して見続けてきた。でもさ、それはみんなが見たい写真じゃないかも知れないじゃ ない。オフショットのかわいい写真とかさ、メンバーのアップの写真とかさ、そういうのを求めてる人もいると思うんだよね。

だから、まったく受け入れてもらえないかも知れないなとは思った。でも、その半面で、スピッツを愛してる人たちなら、俺から見たスピッツのことも受け入れてくれるかなと、勝手に思ってた。

 

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