『言葉ははかない』がうまれるまで 23

☆3月20日やっと完成した写真集と対面しましたね。

思っていたよりもずっしり重たかったね。「Spitzbergen tour 2012 GO!GO!スカンジナビアvol.5」初日の横浜BLITZの楽屋でさ、ページを開いて、色を見て、よし大丈夫と思えたから、真っ先にメンバーに渡しに 行った。でも、照れくさいからそれだけ。感想も聞いてないよ。そして、スタッフに1冊、1冊渡していった。

ここまで一緒に旅をしてきたスピッツのメンバーとスタッフ、みんなに写真集を手渡してお礼を言えたからさ、写真集を創るということに関しての俺の役割は それで終わった。そこからは、GOスカのオフィシャルカメラマンとしての内藤順司に切り替わったのと、オーディエンスの皆さんに直接お渡しするための準備 が整ったって感じだったね。

☆Valentine Dayには、はからずも素敵な贈り物がありましたね。

笑 あっそうだったんだ・・・気付いてなかったよ。もちろんたまたまだけどさ、2月14日にスピッツメンバーからのメッセージが届いた。帯に印刷されているやつね。

一言で言うとさ、照れくさかったよね。4人からのメッセージは恥ずかしかった。「あれ?写真集のことじゃなくて、俺とのことを書いてくれてるな」って 思った。読み返してみると、やっぱり恥ずかしいけどさ、じーんと来たよね。月並みだけど、ありがたいなと思って、涙がキラリ☆。

前回に話したけど、その時期はちょうど色校正で格闘している時期だったからね。問題が山積みで、寝られない日々だったし。だからこそさ、メンバーのその 気持ちを受け取っちゃうとさ、妥協なんて絶対にできないと思ったよ。なんとしてでも、本人たちに届くように。みんなに届くように。

あの日々は無我夢中だったよね。俺の気持ちが伝わらないのが、一番伝わらなきゃいけない印刷屋さんだったから。それをどうすりゃいいんだろうっていう模索の日々だった。でも、やっぱりいつもと同じように、メンバーの気持ちが後押しをしてくれたんだ。

スピッツのメンバーは「内藤さんが創るんだったら、なんでもいいよ」って言ってくれたし、事務所Grasshopperのグッチャンと伊勢さんは「この写真集は内藤さんの作品で、スピッツは被写体ですから。創りたいように創ってください」と信頼して任せてくれた。

メンバーに原寸大のデザインプリントを見てもらったときも、みんな「これ懐かしいね」とか「この時はああだったね」とかそういう雰囲気で、基本は内藤の 作品集ということを尊重してくれている感じがあったんだよね。オフィシャル的には、これまで出してこなかったような写真も、あえて「オーケーですよ」と。 「基本的には何でもいいですよ」と。俺はただ心の中で「ありがとう」って思ってた。その信頼には、作品のクオリティで応えなきゃ。

今だから言うけど、俺のフォトグラファー生命を賭けた日々だったんだよ。大げさだって思うでしょ? だけど、写真の色が再現されていない写真集を発表す るってことは、そういうことなんだ。そこに写っているのは俺の写真じゃないのに、写真集を見た人は「内藤って、こんな写真を撮るんだ」って思う。俺は、も う恥ずかしくて写真を撮れないよ。

だから、3月20日思った通りの色が表現できていなかったら、もうフォトグラファーは辞めようって思ってたんだ。首が繋がってさ、良かったよね。

 

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