『言葉ははかない』がうまれるまで 19

☆写真を選抜し終えて、バトンはデザイナーのコヤマさんへと。上がってきたデザインをはじめて見たとき、どういう印象を受けましたか?

「やっぱりコヤマさんだよな!」と思った。俺が思っていた通りにロックでパンクでカッコいいスピッツがそこにいた。30枚程度を最初に創ってもらったんだけどさ、とても手応えを感じたよ。でも、同時に「ここまでやっちゃっていいのかな?」とも思った。

正直なことを言うとさ、不安も抱きはじめたのね。俺の見てきたスピッツ、俺の愛するスピッツを表現することができたとして、それをみんなが受け入れて、 許してくれるのだろうかと。俺にとっての自信作も、事務所が受け入れてくれなければ、もうそこで終わりになってしまうでしょ。

スピッツの事務所の代表グッチャンやマネージャーの伊勢さんに、まずはこの方向性で大丈夫なのかを確認してもらわなければならない。2011年12月 19日仙台ライヴの楽屋で、デザイン確認の時間をいただいて「まずはとにかく見て欲しい」と、何も説明をしないで見てもらったんだ。

B4サイズに印刷したものを半折りして、バッと開いたら田村君のジャンプ。 一枚目から、いきなり飛んでる。笑 マサムネくんのギターのコラージュ。こ れまでのスピッツのヴィジュアルではありえない写真が並んでる。そのラフを持ってきている時点で、2人がどう感じるか、何を言うんだろうかって、俺はもう ドキドキしていたよ。

「タイトルは『言葉ははかない』にしたいんだ」そう言ったら、ふっとグッチャンの表情が変わって。その瞬間に「あ、通じたね」と思った。どういう意図で通じたのかは定かじゃないけどさ、俺は勝手に以心伝心と思った。「それでOKです」と、ニコッとしてくれた。

「アリですよ。いいですよ」とグッチャンが言ってくれた。俺はドキドキしながら聞いたよ。「この中でNGはないの?」「いや大丈夫です」「このコラージュは大丈夫なの?」そこで改めて「アリです」と。

「この写真集は内藤さんの作品だから、内藤さんが思うように創ってください」
その言葉をいただいて、結果的に今まで発表することのなかった多くの写真も使うことができた。

コヤマさんは自由自在に大暴れして、思いっきりデザインしてくれた。それを受け入れてくれたGrasshopperは、とても度量が大きい。俺は、彼らにはいつも、ありがとうしか言葉がない。

 

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