『言葉ははかない』がうまれるまで 17

☆コヤマさんがデザインを担当してくださることが決定し、写真のピックアップ作業も進み、少しずつ形が見えはじめたのが11月頃でしたね。

『言葉ははかない』は、最終的には写真だけの作品になったんだけど、当初はいろんなアイデアがあったんだよね。歌詞を掲載しようとか、対談をしようとか、CDを付けようとか。

11月の頭、ディレクターの春名さんと選んだ歌詞を眺めたり、写真集の構成案を考えてた。写真集のタイトルを決めなければならない時期だったけど、いくつかの案はあるもののどれもピンとは来てなくてさ。それも懸案事項の1つだったんだ。

ピックアップした歌詞をまとめて見ていたときに、あらためて彼らのメッセージの強さに胸を打たれたんだよね。紙に書かれた文字なのに、音が聞こえてくる。全アルバム、全シングルのすべての曲から選抜された歌詞が並んでいるのを見たときには圧巻だった。

その中から、ぽんと立ち上がってきた。『言葉ははかない』って。

☆全身が総毛立ちました。「やっと出てきた!」って感触でしたよ。この作品のタイトルは、それ以外にはありえないと思いましたね。

「猫になりたい」は、ずっとこころの底で鳴っている音楽なんだ。

『言葉ははかない』というタイトルが降りてきたとき、写真以外はなにもいらないんじゃないかと思った。写真だけで、彼らの歴史と対峙していこうと思った。

結果的には選抜していた歌詞を使うことはなかったけれど、その作業のおかげでタイトルがやってきた。この写真集と向き合った時間は、どれも無駄じゃなかったんだよね。それって、人生そのものみたいじゃない?

それからは『言葉ははかない』という、ただひとつのメッセージに導かれるようにすべてが決まっていった。すべてをそぎ落として、本当に写真と向き合うことができたんだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>