『言葉ははかない』がうまれるまで 16

☆写真のピックアップ作業がスタートして、次はデザインの段階に入りました。この構想が生まれたときから、デザインを担当して欲しい方は決まっていたそうですね。

そうなんだ。写真集を創ろうって決めたとき、デザイナーも決まってた。彼しかいないんだよ、一緒にこの写真集を創ってくれる人は。コヤマさんは、日本のデザイナーのなかで唯一、俺の写真を自由に操れる人。

他のデザイナーは気を遣っているのか、遠慮しているのか、ある一定のラインから踏み込んでこないんだよね。でも、コヤマさんは俺の写真と思いっきり向き 合って、俺の写真を傷つけもするし汚しもする。俺の写真の魅力を最大限に引き出して、その上でコヤマさんの世界を表現してくれる。

コヤマさんは、長年、佐野元春や小山卓治をはじめとするミュージシャンのダイナミックなデザインを手がけてきた人で、もう15年以上のつきあいになる。もちろん、本人には形が整ってから話しをしたけれどね。

☆コヤマさんはすごい人ですね。あの壮絶なタイムスケジュールを前に、めげなかった。投げなかった。絶対に「無理です」と言いませんでしたね。

3月20日発売を死守するために、普通ではありえないタイトなスケジュールになってしまったんだ。いろんな大変なことが山積みだったのに、最後までやり遂げてくれた。俺はそれを思い出すだけで、泣いちゃう。

コヤマさんの感性とのやりとりは、本当に楽しかった。彼はスイッチが入ったら、とんでもない力を出す人なんだよね。だけどスイッチが入らないと、全然ダメ。笑 だから、スイッチが入るまでは、こっちから攻め、あっちから攻め。

この件を打診するまで、スピッツをちゃんと聴いたことがなかったと思うんだ。でも、彼のロック感性にスピッツが響くことはわかっていたから、ライヴに足を運んでもらって、楽曲を聴いてもらって、写真を見てもらった。

スイッチが入ったら、誰もコヤマさんを止めることはできない。デザイナーとしては、決して器用じゃないけど、俺はそういう彼と彼のデザインが好きなんだ。彼の本気を引き出すことができたら、この写真集はどこまでも飛べると知っていた。

その結果?

手にしてくれた人なら、きっとわかってくれると思う。

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